サウナに入るだけで睡眠の質が向上し、ストレスも軽減されるって知ってましたか。
サウナを始めると、たくさんの健康効果を期待できます。
ただ入り方を間違えると体に悪影響を及ぼすこともあるため、危険です。
この記事では、サウナのメリット・デメリットを20個紹介します。
さらにサウナに向いている人と控えた方がよい人の特徴も紹介するので、これからサウナを始めたいと思っている方はぜひ参考にしてください。
サウナのメリット10選

サウナに入ると期待できる代表的なメリットは、以下の10個です。
- 免疫力の向上
- 風邪予防
- ストレスの軽減
- 疲労回復と睡眠の質向上
- 関節痛と筋肉痛の軽減
- 高血圧の改善
- 気分高揚や多幸感
- うつの軽減とメンタル安定
- 脳の健康維持
- 社会的つながりの場ができる
サウナに入るだけで、ほとんどの方が悩んでいる日常的な問題を改善できる可能性があります。
これから紹介する悩みを抱えている方は、これを機にサウナを始めてみましょう。
1.免疫力の向上
サウナに入ると大量の汗をかくため、血液やリンパの流れがよくなり、免疫力が高まると言われています。(1)
体温が一時的に上昇することで、病気と闘う白血球が増えやすくなるからです。
そのため、細菌やウイルスに負けにくい体を作る助けになる可能性があるでしょう。
定期的にサウナに通うようになった今の方が「体調を崩しにくくなった」と個人的にも実感しているため、健康管理に役立つ習慣だと思います。
2.風邪予防
サウナに定期的に通うと、風邪を引きにくくなります。
ある研究では、被験者をサウナに入るグループとサウナに入らないグループに分けて、それぞれのグループの6ヶ月間「風邪の発生頻度」などを調べました。
実験結果としては、サウナに入るグループとサウナに入らないグループに比べて、風邪の発生頻度が約半分に減少しました。(2)
ただしサウナに入るだけで完全に風邪予防できるわけではないため、日常の手洗いや栄養管理も大切です。
3.ストレスの軽減
サウナは、ストレス軽減効果もあります。
サウナに入ると、ストレスの元となる「コルチゾール」という物質が減ると言われています。
特に1回10分以上サウナに入ると、コルチゾール(ストレスホルモン)が大きく減少し、リラックスや幸福感の元となるエンドルフィンが増加するといった研究結果もあるくらいです。(3)
実際仕事などで疲れたとき・ストレスを感じたときに、サウナに入る方も多いです。
銭湯であれば1,000円以下でサウナに入れるため、コスパ抜群のストレス解消法とも言えるでしょう。
4.疲労回復と睡眠の質向上
普段からスポーツや運動をやっている方にも、サウナがおすすめです。
サウナに入ると血行がよくなり、筋肉のこりや痛みも和らげます。
運動後、体に溜まる乳酸も排出されやすくなり、疲労回復がスムーズに進みます。
またある調査では、サウナ利用者の83.5%が「サウナに入ると睡眠の質がよくなった」と回答しています。(4)
ポイントは寝る直前ではなく「就寝1~2時間前まで」にサウナに入ると、(個人的な体験としても)より深く眠れる実感があると思います。
5.関節痛と筋肉痛の軽減
サウナは、関節痛や筋肉痛の緩和にも効果的です。
リウマチなど関節に痛みに悩む方を対象とした研究では、サウナに入ることで痛みが和らぎ、関節の動きがスムーズになったという結果が出ています。(5)
その理由は、サウナによって筋肉や関節周辺の血流がよくなり、炎症の元となる物質の除去や筋肉のこわばりの軽減につながるためと考えられます。
慢性的な腰痛・膝痛を抱える方にも、サウナは痛みを和らげるサポート療法としておすすめです。
6.高血圧の改善
サウナは、高血圧の予防にもつながる可能性があります。
フィンランドで行われた約20年以上の追跡研究では、週4〜7回サウナに入る人は、週1回程度の人に比べて高血圧になるリスクが約半分だったと報告されています。(6)
また週2〜3回利用する方も、高血圧リスクが減少するという結果も出ました。
週2〜3回利用する方 | 高血圧リスク約24%減少 |
週4〜7回利用する方 | 高血圧リスク約46%減少 |
サウナが高血圧の予防にもつながる理由は、「サウナは血管拡張と発汗は血圧を一時的に下げる効果があり、継続的に通うと長期的な血圧管理によい影響を及ぼすのではないか」と考えられています。
ただし、高血圧の治療を受けている方は、医師と相談してから利用しましょう。
7.リラックス感や多幸感
サウナ好きの間でよく使われる”ととのう”という言葉の正体は、サウナで十分に温まり水風呂でクールダウンしたあとに感じる「リラックス感や多幸感」です。
この感覚の背景には、熱いサウナと水風呂に繰り返し入ることで、脳内に気分をよくするホルモンである「βエンドルフィン」が分泌されるメカニズムがあります。(7)
このβエンドルフィンの分泌によって、体も心もふわっとゆるむような感覚につながります。
ただし、「ととのう」感覚は最初から誰でもすぐに体験できるとは限りません。
何度か通ううちに、「あれ?これかも!」と感じられる瞬間がきっと訪れます。
焦らず、自分のペースでサウナを楽しむことが重要です。
8.うつの軽減・メンタル安定
サウナは、心のケアにも役立つと言われています。
最近の研究では、定期的にサウナに入ると、ストレスや不安がやわらぎ、気分が前向きになるという効果が確認されています。(8)
私自身は仕事が土日休みなのもあり、ストレスが一番溜まった金曜日にサウナへ行くことが多いです。
サウナに入って帰る頃には、仕事のストレスも汗と一緒に流れ、「明日から頑張ろう」という気持ちになれます。
さらに、サウナの熱が脳の神経に働きかけ、うつや不安を軽くする可能性も指摘されています。(9)
気分が沈みがちなときは、サウナを日常に取り入れてみるのも一つの方法です。
9.脳の健康維持
サウナは、脳の健康にも良い影響があると注目されています。
フィンランドで行われた研究では、週4~7回サウナに入る人は、週1回しかサウナに入らない人に比べてアルツハイマーの発症リスクが65%、認知症のリスクが66%低かったと報告されています。(10)
また、週に2〜3回の利用でも認知症リスクが約20%下がったという結果結果も出ています。(10)
アルツハイマーや認知症の発症リスクが下がった理由は、以下の通りです。
- サウナによる血行促進
- リラックス効果
サウナは体の血流を良くし、リラックス効果によって心を落ち着かせるため、その結果として脳の老廃物の除去や機能維持にもつながる可能性があります。
もちろん遺伝的要因や生活習慣全体の影響もあるため過信は禁物です。
それでも、サウナが脳の健康を保つひとつの習慣になる可能性があるというのは嬉しいニュースでしょう。
10.社会的つながりの場ができる
サウナはリラックスするだけではなく、人との交流の場としても大きな役割を果たします。
フィンランドで約500人を対象に行われた調査では、サウナに行く理由の上位3つが明らかになりました。(11)
- 1位:休養・リラックス
- 2位:関節痛などの痛みの軽減
- 3位:社交
サウナは1人で静かに楽しむ人もいろいれば、友人や仲間と一緒に楽しむ人もいます。
また、SNSやサウナイベントを通じて知り合った人と一緒にサウナに行くことも珍しくありません。
実際に私も普段は1人で入ることが多いですが、ときどきSNSやサウナイベントでつながった人と一緒にサウナに行くことがあります。
「最近どこのサウナが良かった?」という話から始まり、仕事やプライベートの話まで広がることもあります。
サウナを通じた交流は、大人になってからの自然な「友達づくり」にもつながるでしょう。
もちろん、どんな趣味にも人間関係のトラブルはつきものですが、それを上回る出会いや楽しさがサウナにはあると感じています。
サウナのデメリット10選

一方で、サウナには注意点やデメリットも存在します。
サウナに入ると起こるかもしれないデメリットは、以下の10個です。
- 脱水症状
- 熱中症
- 立ちくらみや失神
- 髪へのダメージ
- アトピー性皮膚炎の悪化
- 感染症リスク
- 精子数の減少
- サウナ依存症
- 体重の増加
- お金がかかる
これらのデメリットは、対策を意識するだけで解決するものも多いです。
これからサウナを始めたいと思っている方は、デメリットと対策セットで理解しましょう。
1.脱水症状
サウナでは大量の汗をかくため、脱水症状に注意が必要です。
実際の研究でも、「10分程度サウナに入るだけで約650 mlの体重減少(=水分の蒸発)」が確認されています。(12)
発汗によって体内の水分やミネラルが失われると、軽い脱水(のどの渇き)が起こり、めまい・頭痛などにつながることもあります。
実際のサウナ利用者の調査では、上記のような症状を訴える人が全体の93%以上にのぼっており、脱水が利用者にとって一般的な不調であることを示しているでしょう。(13)
サウナをこれから始めるのであれば、「最初から長時間入りすぎないこと」が重要です。
また、サウナに1セット入るごとに、水をしっかり飲みましょう。
2.熱中症
サウナに長く入りすぎると、体温調節が追いつかず熱中症のリスクが高まります。
特に水分を取らなかったり、友達と我慢比べでサウナに入り続けたりなどの行動は危険です。
上記のような行動を取ると、体内の深部体温が40℃を超えて意識を失う可能性もあります。
実際、長時間のサウナ利用が原因で救急搬送されたケースも報告されています。(14)
熱中症は、稀ではありますが命に関わる深刻な症状です。
そのためサウナ室では無理をせず、こまめな休憩と水分補給を行いましょう。
「ちょっと苦しいな」と思った場合は、すぐに退出する勇気も大切です。
3.立ちくらみや失神
サウナは、立ちくらみや失神が起こるリスクがあります。
高温の環境下では、皮膚血管の拡張と発汗によって血液が末端に集まりやすくなります。
その結果、血圧が一時的に下がり、ベンチから立ち上がった瞬間に立ちくらみや失神が起こることがあります。(15・16)
特に、もともと低血圧・貧血の方はリスクが高めです。
対策としては、(周りに迷惑にならない範囲内で)足首を動かしたり、軽く足を踏み込んだりして、下半身の血液を心臓に戻るような行動を取るといいでしょう。(17)
4.髪へのダメージ
サウナは高温のため、髪のダメージを与えるおそれがあります。
サウナの熱にさらされると、髪の表面のキューティクル(うろこ状の層)にひび割れや浮き上がりが起こり、さらに内部にも小さな空洞や亀裂ができることが研究で確認されています。(15)
その結果、髪は乾燥しやすく切れ毛の原因になるため、注意が必要です。
サウナ利用時は、断熱性の高いウール製のサウナハットを被ったり、サウナ後の保湿ケアをしたりするなどして髪への熱ダメージをできるだけ抑える工夫が必要です。
5.アトピー性皮膚炎の悪化
アトピー性皮膚炎をお持ちの方は、サウナ利用に注意が必要です。
サウナそのものは皮膚を乾燥させることはなく、汗をかきやすい体質になるメリットもあります。
ただアトピー肌の方は、皮膚のバリア機能が弱く、汗による刺激に敏感です。
サウナによる汗が却(かえ)って刺激になり、かゆみが悪化することがあります。(16)
アトピー性皮膚炎をお持ちの方は、一度医師に相談してからサウナを利用してください。
6.感染症リスク
サウナは、衛生管理が不十分だと感染症のリスクがあります。
イランの720施設のサウナ・プールを調査した研究では、カビ類(56.1%)・酵母類(42.1%)・皮膚病原性白癬菌(1.75%)といった健康に影響を及ぼす菌類が見つかりました。(17)
中には、高温のサウナ下でも30分間生き残る菌もいます。(18)
そのため、これから初めてサウナに行こうと思っている方は、以下の点を意識してください。
- 衛生管理が行き届いた施設選び
- サウナマットを敷いたうえに座る
- 肌に傷がある場合は行かない
これだけでも、感染のリスクをぐっと減らせます。
7.精子数の減少
男性にとっては、生殖機能への一時的な影響も無視できません。
精巣は熱に弱く、体温よりやや低い温度で正常に働きます。
サウナのような高温環境に長時間さらされると、一時的に精子の数や動きが少なくなる可能性が指摘されています。
ただし、これは長期間続くものではなく、しばらくすれば元に戻る一時的な変化です。(19)
将来的に子どもを望む方や不安な方は、過度の高頻度利用を避けたり、医師に相談したりすると安心です。
8.サウナ依存症
サウナで得られるリラックス感や多幸感にハマると、「サウナ依存症」になることもあります。
サウナ始めたての頃は「これが”ととのう”感覚か!」と感動する方も多いものです。
しかし、慣れてくると刺激はだんだん薄れ、物足りなさを感じることも多くなります。
結果、「今日はあまりととのわなかったな」と感じる日も多くなり、サウナ・水風呂に長く入るなどの無理をして、ととのいを感じようとする行動をとる方もいらっしゃいます。
たまに無理するだけなら問題ないのかもしれませんが、それが習慣化すると危険です。
ととのうために倒れる寸前まで入ったり、体調が悪くても無理して入ったりするサウナの使い方はやめましょう。
このような状態になる前に、「適度」を大切にしてサウナを楽しむことが何より大切です。
9.体重の増加
サウナに入ったあとは、なぜか食事や飲み物がいつもより美味しく感じます。
具体的なメカニズムはわかっていないものの、体が水分やミネラルを失い、栄養を求めている状態だからだと思います。
ただ普段よりも美味しく感じるあまり、つい食べ過ぎたり飲み過ぎたりする人も多いです。
もちろんたまには、カロリーを気にせず好きなものを食べる分には満足感も高まるでしょう。
しかし毎回好きなものを食べていると、知らぬまに5kg・10kgと体重が増加しています。
サウナ自体には代謝を高める効果がありますが、脂肪を燃やす効果は有酸素運動ほど高くないのが現実です。
そのため体重増加が気になる方は、サウナ飯にカロリーの低いものを意識的に選んだり、「この日だけは好きなものを食べてもいい」と決める等の食事管理をしたりするのがおすすめです。
10.お金がかかる
どんな趣味にもお金がかかりますが、サウナも例外ではありません。
東京都内の温浴施設や銭湯でサウナに入ったり・サウナ飯を食べたりする際に使う平均金額は、以下の通りです。
- 温浴施設:約2,000円/1回
- 銭湯:約1,000円/1回(入浴料+サウナ料金)
- サウナ飯:約2,000円/1回
一度の出費はそこまで大きくないですが、週2回通うと月額費用は意外と高額になります。
サウナのみ(週2回) | 約8,000〜12,000円/月 |
サウナ+サウナ飯(毎回) | 約24,000〜32,000円/月 |
趣味としての出費と割り切れる範囲であれば問題ありませんが、家計に負担を感じるようであれば頻度を考えた方がいいでしょう。
節約したい方はサウナ付きジムの会員になったり、回数券を活用するといった工夫でコストを抑えることも可能です。
サウナが向いている人・控えた方がよい人

サウナのメリット・デメリットを踏まえると、サウナが向いている人と控えた方が良い人の傾向が見えてきます。
最後に、どんな人にサウナ浴がおすすめで、どんな人は注意すべきかを整理します。
サウナが向いている人 | ・ストレスが溜まりやすい人 ・冷え性の人 ・疲れを取りたい人(運動後など) |
サウナを控えた方がよい人 | ・持病がある人 ・二日酔いの人 ・体調が優れない人 |
サウナが向いている人
サウナが特に向いている人は、以下の通りです。
- ストレスが溜まりやすい人
- 冷え性の人
- 疲れを取りたい人(運動後など)
日常生活や仕事でストレスを感じやすい人がサウナで汗をかくと、心と体の緊張がゆるみ、気分がスッキリします。
冷え性の人はサウナで血流がよくなるため、手足の冷えをやわらげる効果が期待できます。
さらに、筋トレやスポーツをしている人にとっては、疲労や筋肉痛の回復を早めるでしょう。
自分に合っていそうなら、ぜひ一度試してみてください。
サウナを控えた方がよい人
サウナを控えた方がよい人は、以下の通りです。
- 持病がある人
- 二日酔いの人
- 体調が優れない人
持病がある人は、サウナに入らない方が無難です。
高温は体に大きな負担をかけるため、医師の許可なしで入るのは絶対にやめてください。
特に心臓に問題がある人や重度の高血圧の人は、注意が必要です。(20)
また持病がなくても、病気にかかっていたり、極端に疲れていたりするときも無理は禁物です。
少しでも調子がおかしかったら、「今日はやめておこう」と見送る決断が大切です。
飲酒した直後や二日酔いのときも、サウナは避けましょう。
サウナとアルコールの併用は、低血圧、不整脈、突然死などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
フィンランドではサウナ関連死の20~25%にアルコールが関与しており、死亡例には低血圧・意識喪失・不整脈などが報告されています 。(21)
まとめ|メリット・デメリットとどう向き合うべきか?

サウナには数多くのメリットがあり、上手に取り入れれば心身の健康増進に役立つ素晴らしい習慣です。
一方で、高温ゆえのリスクや注意点も存在します。
大切なのはメリットとデメリットを正しく理解し、自分の体調や目的に合わせて無理なく楽しむことです。
サウナ初心者の方は、最初は短時間から始めて徐々に体を慣らし、水分補給や休憩をこまめに挟んで安全に利用しましょう。
メリットを最大限に引き出すためには週に数回程度の頻度で行くのが理想的ですが、体調が悪い日はサウナに行かない勇気も大切です。
また、サウナ後は水分補給と適度な栄養補給を心がけましょう。
サウナは正しく向き合えば心地よいリラクゼーションと健康効果をもたらしてくれます。
メリット・デメリット両方とも上手に付き合いつつ、ぜひ楽しいサウナライフを始めてください。