最近のサウナブームの影響で、サウナに興味を持つ方が増えてきています。
でも、「サウナってどう入ればいいの?」「マナーはあるの?」と不安に思う方も多いはずです。
この記事では、初めてでも安心して楽しめるサウナの正しい入り方やマナーについて紹介します。
この記事を参考にして、サウナの第一歩を踏み出してください。
サウナに正しく入るための基礎知識8選
まずは、これからサウナを始める方が知っておきたい「サウナの基本知識」を8つ説明します。
- サウナの温度
- サウナの湿度
- サウナの種類
- サービス
- 分数
- セット数
- 座る位置
- 水分補給
サウナ室の環境選びや入り方のコツを理解しておくことで、初めてでも安心して楽しめるでしょう。
① サウナの温度|80〜90℃がベスト

サウナ室の「温度」は、初めてサウナに入る方にとって非常に重要です。
おすすめは、80〜90℃のサウナ室です。
この温度帯は、汗をかくにはちょうどよい温度設定で、サウナに入った感や気持ちよさを感じやすいでしょう。
たしかにミストサウナは温度が低く入りやすいです。
しかし、汗をかきにくく、気持ちよさを感じにくいのが難点です。
最初は「熱い」感じても大丈夫なので、自分のペースで少しずつ慣れていけば問題ないでしょう。
② サウナの湿度|程よくあるとよい

サウナ室の温度と同様に、「湿度」も重要です。
サウナ室には湿度のあるタイプと湿度の少ないタイプがあります。
それぞれの違いは以下の通りです。

「サウナが苦手」と感じる多くの方は、湿度の低いサウナしか体験していないことが多いです。
そのため、湿度のあるサウナに入りたい場合は、「フィンランドサウナ」という種類のサウナを選びましょう。

フィンランドサウナは、60~80℃の温度設定で、湿度も程よくあるのが特徴です。
マイルドな温度設定で、程よく湿度があるため、呼吸しやすく無理なく楽しめます。
上記3つのうちタイムズ スパ・レスタだけは、過去にレビュー記事を書いています。
公式HPには載っていない、初心者お役立ち情報も書いてあるので、チェックしてみてください。
③ サウナの種類|ミストサウナから始めても問題ない
サウナには、大きく分けて2種類あります。
温度 | 湿度 | |
ミストサウナ | 40〜50℃ | 高い |
ドライサウナ | 80〜100℃ | 低い |
初めてサウナに入る方であれば、まずは「ミストサウナ」でサウナに慣れましょう。

ミストサウナは汗をかきにくい一方で、「入りやすい」温度・湿度設定が魅力です。
最初から無理せずミストサウナから初めて、慣れてきたら徐々にドライサウナにも挑戦すると安心でしょう。
上記3つのうち2施設は、過去にレビュー記事を書いています。
公式HPには載っていない、初心者お役立ち情報も書いてあるので、チェックしてみてください。
④ サービス|ロウリュ・アウフグースは挑戦しない
施設によっては、サウナ室にセルフロウリュ・オートロウリュがついていたり、アウフグースを行ったりする施設もあります。
それぞれのサービスの概要は、以下の通りです。

大半の施設は、オートロウリュ・アウフグースを無料で行っている場合が多いです。
そのため、初めてサウナに入る方は「無料だし、楽しそうだから受けてみよう」と思いやすいかと思います。
ただロウリュ・アウフグースは一気に体感温度が上昇するので、初めてサウナに入る方は避けた方が無難です。

ロウリュ・アウフグースはサウナ経験者向けのサービスであり、慣れていない方が体験すると、めまいや体調を崩すリスクもあります。
まずは通常のサウナに慣れてから、オートロウリュ・アウフグースに挑戦してみましょう。
⑤ 分数|熱いと思ったらすぐに出る

サウナに入る分数に、決まりはありません。
初めてサウナに入る方は、「熱いな」「しんどいな」と感じた時点で出ることを徹底しましょう。
目安としては、3〜5分程度から始めると無理なく入れるかと思います。
サウナ室に砂時計や壁掛け時計が設置されている施設も多いので、時間を確認しながら出るタイミングを調整するのもおすすめです。
もしサウナ室に砂時計や壁掛け時計がない場合は、心拍数を目安にする方法もあります。
初心者の方は、「100〜120拍/分」を超えたら、一度出るようにしてください。
サウナでできる心拍数の測り方がわからない方は、以下の方法を試してみてください。

手首で測るのが難しい方は、スマートウォッチを使うのもおすすめです。
ただし高温で壊れるリスクもあるため、サウナ用には【壊れても後悔しない安価な価格帯のスマートウォッチ】を使いましょう。
私が使っているサウナ用のスマートウォッチは、「Xiaomi Smart Bandシリーズ」です。

3,000円台から買えて、私のXiaomi Mi Band 3は5年間以上壊れていないため、耐久性も抜群です。
多くのサウナーも使っており、コスパ重視のエントリーモデルとしてもおすすめです。
⑥ セット数|無理しないことが重要

サウナは、「サウナ→水風呂→休憩」を1セットとし、これを3セット繰り返すのが一般的です。
3セット繰り返すのはあくまで目安なので、初めてサウナに入る方にとっては無理せず1セットから始めても、正しい入り方だと言えます。
初めてサウナに入るときに大切なのは、「自分の体調に合わせて無理しないこと」です。
最初は1セット入るだけでもぐったりするかもしれませんが、それが普通です。
体が慣れてきたら、少しずつ2セット・3セットと増やしていきましょう。
自分のペースで楽しむことが、サウナを続けるコツです。
⑦座る位置|場所によって熱さが違う

サウナは座る位置によって、体感温度が大きく変わります。
主に影響するのは以下の2点です。

初めてサウナに入る方は、「1段目でサウナストーブから一番遠い場所」、つまり1段目の入口付近に座るのがおすすめです。
その場所は無理なく汗をかけるうえ、キツくなったらすぐにサウナ室から退出できる安心感があります。
もしその場所が空いていない場合は、段数はそのままで「ストーブからできるだけ遠い位置」がおすすめです。
慣れてきたら2段目に座ったり、ストーブに近づいたりして、自分に合ったポジションを見つけてください。
⑧ 水分補給|こまめに摂取

とある研究によると、「10分程度サウナに入るだけで約650 mlの体重減少(=水分の蒸発)する」ことが確認されています。(12)
人間の体の約60%は水分でできており、ほんの少しの水分減少でも身体機能に影響が出ます。
脱水レベルと、体への影響は以下の通りです。
水分減少量 (体重比) | 体への影響 |
1%減少 | 喉の渇きを感じ始める |
2%減少 | 脱水による疲労感が現れる (集中力や判断力が低下) |
3~5%減少 | 強い喉の渇き、吐き気、頭痛、めまい |
6~10% 減少 | 明らかな脱力感・混乱・ 集中困難・吐き気 (重度の脱水) |
10%以上減少 | 命に関わる危険なレベル |
例えば、体重70kgの人(30代男性の平均体重)が10分間サウナに入ると、体内の水分が約1%減少します。
それを3セット繰り返すと、体重の約3%の水分が減少し、「強い喉の渇き、吐き気、頭痛、めまい」などが出る可能性があります。
そのため、サウナに入るときはこまめな水分補給が重要です。
またお酒やコーヒーを飲んでからしてから、サウナに入るのはやめてください。
アルコールやカフェインによる利尿作用で水分が必要以上に失われやすくなり、脱水リスクが高くなります。
初めてサウナに入る方がやりがちなNGマナー4選
次に、初めてサウナに入る方がやりがちなNGマナーについて確認します。
初めてサウナに入る方がやりがちなNGマナーは、以下の4つです。
- 頭と体を洗わずにサウナに入る
- 体がびしょ濡れの状態でサウナに入る
- サウナ室内で大声で話す
- サウナでかいた汗を周りに飛ばす
知らずにやってしまいがちなNGマナーを理解し、周囲に迷惑をかけずにサウナを楽しみましょう。
① 頭と体を洗わずにサウナに入る

サウナに入る前に、頭と体は必ず洗いましょう。
サウナに入る前に頭と体を必ず洗うべき理由は、3つあります。

サウナは公共の場なので、利用者全員が気持ちよく使えることが重要です。
頭と体をしっかり洗って綺麗な体でサウナに入るのはエチケットとしても重要であり、汗をかきやすくなるという面ではメリットにもつながります。
② 体がびしょ濡れの状態でサウナに入る

サウナに入る前は、体についた水滴をしっかり拭き取りましょう。
これはマナーとしてだけでなく、気持ちよく汗をかくためにも大切な準備です。
サウナ室には共用のマットが敷いてあることが多く、体が濡れたまま座ると、マットがびしょ濡れになります。
そのため、他の人が座ったときに、「これは汗?それとも水滴?」と不快に感じる原因になります。
また濡れたままサウナに入ると、体の水滴が蒸発する際に「気化熱(きかねつ)」が発生します。

マナーを守り、体への負担を減らすためにも、サウナに入る前のたった数秒のひと手間が重要なのです。
③サウナ室内で大声で話す

施設によっては、サウナに入る際に「完全黙浴(もくよく)=一切の会話NG」をルールとしているところもあります。
サウナは静かにリラックスしたい方、頭や心を休めたい方など、さまざまな目的を持った人が集まっています。
もし大声や笑い声が響けば、リラックスできる環境はすぐに壊れてしまい、ほかの人の集中を妨げてしまうこともあるのです。
そのため、友達と一緒にサウナに入る場合は、会話は必要最低限にとどめて静かに過ごしましょう。

サウナに慣れてくると、「先に出るね」などの合図は、アイコンタクトやジェスチャーで伝えられるようになります。
これが、サウナー同士のスマートなコミュニケーションです。
④サウナでかいた汗を周りに飛ばす

サウナ室でかいた汗を周りに飛ばさないことも、大切なマナーのひとつです。
初めてサウナに入る方は汗をかくと、つい日常のクセで手ではらったり、タオルをパッと振ったりしてしまいがちです。
しかしその動作によって、汗が周囲に飛び散ってしまうと、ほかの人に不快な思いをさせてしまいます。
そのため、サウナで正しく汗を拭くには、フェイスタオルでやさしく体を押さえて拭きましょう。

また、サウナでかいた汗を吸ったフェイスタオルを絞る行為は、もっとNGな行動です。
汗を吸ったフェイスタオルを絞ると、においが広がってしまうことがあります。
たとえ他人にかからなくても、空間全体に不快感を与える恐れがあります。
サウナは、みんなで気持ちよく使う場所です。
だからこそ、汗の扱いにも気を配って、お互いに心地よい空間を保ちましょう。
サウナに入るのを控えた方がいいシチュエーション3選
サウナに入るのを避けた方がいいシチュエーションは、以下の通りです。
- 食後すぐのタイミング
- 飲酒後
- 体調が悪いとき
サウナはリフレッシュ効果が高い反面、体への負荷もかかる行為です。
これから紹介するような状況では、無理せずサウナを控えるようにしましょう。
① 食後すぐのタイミング

サウナに入るときは、食後すぐのタイミングを避けることが大切です。
食後すぐのサウナで起こる体の反応は、以下の通りです。

そのため、食後にサウナに入りたい場合は、「2時間〜3時間」は体を休めることが重要です。
② 飲酒後

「サウナ入ったらアルコール抜こう」と軽い気持ちで、サウナに入るのは危険です。
飲酒後にサウナに入るのが危険な理由は、以下の2つです。
- アルコールによる強い利尿作用:トイレが近くなるのと、体内の水分がサウナで蒸発するのが重なり、脱水症状になる
- 血管拡張作用による急激な血圧低下:アルコールとサウナのダブル作用で、血管が拡張して血圧が急激に下がり、立ちくらみや意識障害のリスクが増加
実際、海外では飲酒とサウナの組み合わせにより意識不明、心停止に至ったケースが報告されています。(2)
もしサウナとお酒を両立させたいのであれば、サウナ後に飲みましょう。
③ 体調が悪いとき

体調が悪いときは、絶対サウナに入らないでください。
体調が悪い時にサウナで汗をかくと、一時的に「スッキリした」と感じることもありますが、あくまで一時的な錯覚にすぎません。
実際は、サウナの熱と発汗によって水分や電解質が失われ、免疫力の回復を妨げることがあります 。
さらに、インフルエンザや風邪などの感染症の初期症状がある状態でサウナに入ると、他の人にウイルスを広げてしまう可能性があります。
公共の施設では他人への配慮という観点からも、体調が万全でない時の利用は控えましょう。
「少しだるいかも?」「喉が痛い?」など、軽い不調でも、その日は無理せず休むのがベストです。
慣れてきたら試したい上級者向けの入り方2選
サウナに何度か通って慣れてきたら、よりサウナを楽しむためのテクニックも試しましょう。
中上級者向けサウナテクニックは、以下の通りです。
- 湯通しと水通し
- オートロウリュとアウフグース
中上級者でも合う合わないの好みがある要素もあるため、一度試してみてしっくりこない場合はやめても問題ないです。
① 湯通し・水通し
サウナに入る前のテクニックとして、「湯通し」と「水通し」という言葉があります。
「湯通し」と「水通し」のそれぞれの違いは、以下の通りです。

湯通しは、初めてサウナに入る方でも効果を感じやすく、体への負担も少なめです。
特に寒い冬などは体が冷えて汗をかきにくいことがあるため、湯通しで事前に体をある程度温めると、サウナで汗をかきやすくなります。
水通しは、サウナ上級者向けのテクニックです。
水通しは、体が温まっていない状態での水風呂に入るため、サウナ後に入る水風呂よりも冷たく感じ、抵抗を覚える人も多いです。
どちらのテクニックも一度試して、自分に合うかどうか判断するとよいでしょう。
② オートロウリュ・アウフグース
サウナ室の熱さに慣れてきたら、挑戦して欲しいのが「オートロウリュ」と「アウフグース」です。
どちらもロウリュ(蒸気)を活用した体験ですが、特徴や魅力に違いがあります。

気軽に体験するなら、オートロウリュがおすすめです。
一定周期でオートロウリュが発生するため、「この時間は入れそうにないけど、次だったら入れる」と時間に縛られず、好きなタイミングで体験できるのが魅力です。
またじんわりとサウナ室の温度が上がるので、オートロウリュ初めてでも無理なく楽しめるでしょう。
一方のアウフグースは、ロウリュをしたり、タオルで熱を送る熱波師が行うイベントです。
熱波師がアロマ水をサウナストーンにかけ、その蒸気をタオルであおぎ、サウナ室全体に熱波を送ります。

ロウリュは、「水+柑橘系などのリラックス効果のある香りのアロマオイル」のアロマ水が使われることが多いです。
そのため、ロウリュ後はサウナ室にアロマ水の香りが広がり、リラックスできます。
熱波師さんによっては曲をかけながらアウフグースを行ったり、特別な衣装を着て何かしらのキャラクターになりきったりと、エンタメ性の高いものもあります。
サウナに慣れてくると人気施設のアウフグースなどに挑戦できるようになり、違いや好みがわかってくるので面白いです。
まとめ

初めてサウナに入る方に向けて、サウナの基礎知識や正しい入り方・マナーなどを解説してきました。
大切なのは、無理をせず自分のペースでサウナを楽しむことです。
最初は短時間・低めの温度のサウナから始め、こまめな水分補給と休憩を挟みながら、徐々に体を慣らしていきましょう。
基本マナーを守れば周囲に気兼/ねなくリラックスでき、自分に合ったスタイルで入ることでサウナ本来の心地よさを味わえます。
今回紹介したポイントを参考に、安全かつ快適なサウナデビューしてみてください。