サウナを始めるときの一番の不安・悩みは、「水風呂が冷たくて入れない」ことではないでしょうか。
とはいえ、サウナ後の深いリラックス状態である“ととのい”は水風呂で決まると言ってもいいほど、重要です。
「重要だと言われたとて入れないよ」と思う方は、正しい水風呂の入り方やマナーを知れば、辛い冷たさは「心地よさ」に変わります。
この記事では、正しい水風呂の入り方やマナーなどを紹介します。
これから紹介する正しい入り方とマナーを実践すれば、水風呂の苦手意識がなくなり、サウナの醍醐味である「ととのい体験」もしっかり味わえるでしょう。
※本記事は水風呂の入り方を深堀りした記事です。これからサウナを始めようとしている方は、以下記事を先に読むと、より理解が深まるでしょう。
正しく水風呂に入るための基礎知識5選
まず水風呂に正しく入るために知っておきたい、基礎知識を5つ紹介します。
- 温度
- 水質
- 分数
- 入り方
- 入る場所・設備
- 深さ
水風呂の温度・水質の違い・入る場所のポイントなどを事前に理解すれば、苦手な水風呂も安心して入れるようになるでしょう。
①温度
水風呂は温度によって、初心者向け・中級者向け・上級者向けの3種類があります。
それぞれの違いは、以下の通りです。
温度 | 入り心地 | |
初心者向け 水風呂 | 20℃以上 | 冷たいと感じにくい |
中級者向け 水風呂 | 10〜20℃ | 冷たさを実感する |
上級者向け 水風呂 | 10℃未満 | 凍えるような 冷たさを感じる |
初めてサウナに行く方は、20℃以上の温度設定の水風呂を選びましょう。
なぜなら、20℃以上の水風呂を選べば冷たいと感じづらく、サウナに初めて行く方でも安心して入れるからです。
水風呂の温度設定を知りたい場合は、サウナ専門サイト・アプリである「サウナイキタイ」を利用するのがおすすめです。
サウナイキタイアプリで、20℃以上の水風呂を探す方法は、以下の通りです。




最初は25〜30℃などの温度の高い水風呂の施設を選んでもいいので、まずは冷たさに慣れましょう。
慣れてきたら、徐々に水温の低い水風呂に挑戦するのがおすすめです。
②水質
水風呂は、使われている水の水質によって、肌触りや冷たさの感じ方が変わります。
慣れてくると、「この水風呂は入りやすい」「表示温度より冷たく感じる」など、水質ごとの違いがわかるようになります。
使っている水による水質の違いは、以下の通りです。

初めてサウナに入る方におすすめなのが、「地下水・井戸水水風呂」と「温泉水風呂」です。
おすすめの理由は、刺激が少なく肌当たりが柔らかいため、初めてでも入りやすいからです。
まずはこの2種類から試し、慣れてきたら炭酸や変わり種にも挑戦しましょう。
③分数

初めは冷たさになれる方が大事なので、水風呂から「10〜30秒」で出ても大丈夫です。
サウナ経験者であれば、1分〜1分30秒入るのが一般的です。
ただ水風呂に初めて入る方が我慢して長く入ると、体が震えたり指先が痺れたりといった症状が出ることもあります。
また最初のうちは長く入ったからといって、ととのい効果が劇的に高まるわけでもありません。
徐々に慣れてきて、「もっと浸かっていられる」と思ってから、少しずつ延ばしていけば十分です。
④入り方
サウナ後の水風呂で、いきなり肩まで浸かると危険です。
急激な温度変化によって血圧や心拍数が急変する「ヒートショック現象」が起こり、失神・転倒事故から心筋梗塞・脳卒中まで起こるリスクがあります。
ヒートショック現象を避けるための「安全に水風呂に入るコツ」は、以下の通りです。

ゆっくり入れば冷たさにも慣れやすく、あまり抵抗なく水風呂に入れるようになるメリットもあります。
⑤入る場所・設備
初めてサウナに入る方は、「バイブラなし」水風呂を選ぶのが安心です。
バイブラとは、水風呂の底から細かい気泡が出る装置のことです。
ジェットバスのように水をかき回し、体感温度を実際の表示より冷たく感じさせやすい特徴があります。
設定温度以上に冷たく感じる理由は、「温度の羽衣」と深く関わっています。
そのため初めてサウナに行く方は、バイブラなしの施設に行くか、入る場所を工夫してください。
「近所にバイブラ付きの水風呂のある施設しかなくて…」と悩む方は、入る場所だけ意識すれば多少は冷たさを回避できます。
バイブラ付き水風呂に入る際のおすすめの場所は、以下の通りです。

バイブラから離れれば離れるほど、温度の羽衣が剥がれづらくなり、バイブラの影響を受けづらくなります。
ただバイブラ付き水風呂は、爽快感と独特の冷たさを感じることができます。
慣れてきたら、両端から中央に場所を移動していき、バイブラに挑戦しましょう。
⑥深さ
水風呂の深さも施設ごとに異なります。
立ったまま入れるくらい胸や首まで深い水風呂もあれば、膝の高さ程度の浅めの水風呂もあります。
水風呂の深さとおすすめの人をまとめた図解は、以下の通りです。

サウナに初めて入る方は、浅めの水風呂からチャレンジしてください。
浅い水風呂であれば水圧がそれほどかからず、様子を見ながら「膝→腰→胸」までと段階的に冷やせるというメリットがあります。
逆に水深が深いと、実際の温度よりも冷たいと感じやすくなります。
深い水風呂は水圧が身体全体に強くかかり、皮膚と水の密着度が高まります。
すると水が肌にピタッとくっついて、体の熱がどんどん水に奪われやすくなり、実際の温度よりも冷たいと感じやすくなるのです。
浅い水風呂の探すのも、「サウナイキタイ」を使いましょう。
サウナイキタイでの浅い水風呂の探し方は、以下の通りです。



冷たい水風呂が苦手な方は事前にチェックし、なるべく浅い水風呂のある施設を選びましょう。
初めて水風呂に入る方がやりがちなNGマナー4選
次に、サウナ初心者がついやりがちな水風呂でのNG行為を4つ紹介します。
- サウナでかいた汗を流さずに水風呂に入る
- 立ったまま勢いよく掛け水をする
- 汗を拭いたタオルを水風呂の中に入れる
- 水風呂に頭まで潜る
知らずにやってしまいがちなNGマナーを理解し、周囲に迷惑をかけずに水風呂を楽しみましょう。
①サウナでかいた汗を流さずに水風呂に入る

サウナ後は、体に大量の汗や皮脂がついています。
そのまま水風呂に入ると、汗や汚れが水中に溶け出し、水質が悪化します。
さらに意外と周りの方は、あなたの水風呂の入り方を見ています。
そのため汗を流さず入ると、周りの方に不快感も与えます。
かけ湯・かけ水は、温泉での「かけ湯をしてからの入浴」と同じくマナーです。
水風呂に入る前は、次のどちらの方法で全身をきれいにしてください。
- シャワーで全身を洗い流す
- 桶の掛け水を頭から数回かける
水風呂に入る前にたった1手間加えることで、自分も周りもより気持ちよく過ごせるため、必ず実践しましょう。
②立ったまま勢いよく掛け水をする

サウナでかいた汗を流す、かけ湯・かけ水にもマナーがあります。
水風呂の近くの手桶で、立ったまま頭からかけ水をするのはNGです。
汗まじりの水しぶきが水風呂に入り、水質が悪化したり、水風呂の後ろを通る人にも水がかかり不快な思いをさせたりしてしまいます。
おすすめのかけ水のやり方は、以下の通りです。

初めてのサウナで心配な方は、水風呂のすぐ横にシャワーが設置されている施設も多いので、シャワーを使って汗を流すのもおすすめです。
③汗を拭いたタオルを水風呂の中に入れる

初めてサウナに行く方は、汗が染み込んだタオルを水風呂で洗いたくなるかもしれません。
しかし温泉マナーと同じく、水風呂にタオルを入れるのはNGです。
なぜなら、タオルについた皮脂や石鹸などが水風呂の水質を下げ、周りの人を不快な気持ちにさせてしまうからです。
汗をかいたタオルは、かけ水をする際に洗って頭の上に乗せるか、浴槽に浸からない場所に置いておくと安心でしょう。
④水風呂に頭まで潜る

ほとんどの温浴施設・銭湯では、水風呂で頭まで潜る行為は禁止です。
頭まで潜る行為が禁止の理由は、以下の通りです。
- 皮脂が水に入り、水質が悪化する
- 髪の毛が浮くと周囲に不快感を与える
もし頭を冷やしたい場合は、水風呂から出た後に頭へかけ水をしてください。
例外的に潜水OKの施設もあるため、どうしても潜りたい場合はそういった施設を選ぶのもおすすめです。
堀田湯(東京都足立区)や朝日湯源泉ゆいる(神奈川県川崎市)などは、水風呂で潜水可能な施設です。
冷水シャワー どうしても水風呂に入れない方におすすめ

「水風呂に挑戦したいけど、やっぱり冷たいのが怖い…」という方もいるでしょう。
そんな方は無理せず、冷水シャワーで代用するのも一つのやり方です。
冷水シャワーのメリットは、「温度を自分で調節できる」ことです。
最初はぬるめの水から始めて、少しずつ温度を下げれば、無理なく冷たい水に慣れるでしょう。
無理のない冷水シャワーの浴び方は、以下の通りです。

冷水シャワーでも交感神経が刺激されて、休憩時に副交感神経に切り替わるため、 「ととのい」に近い感覚を味わえると報告されています。(1)
無理して水風呂に入る必要はありません。
まずは冷水シャワーで慣れて、 「いけそう!」と思ったタイミングで水風呂デビューすれば十分です。
最新研究でわかった水風呂のメリット5選
最近では水風呂の効果が科学的に研究され、少しずつエビデンスも増えてきています。
ここでは、実は知られていない水風呂のメリットを5つ紹介します。
- メンタルヘルスの改善
- ポジティブ感情の増加
- 睡眠の質向上と疲労回復
- 筋肉痛・炎症の軽減
- 自己効力感・レジリエンス(精神的回復力)の向上
「水風呂は気持ちいいだけじゃなく体にもいいんだ!」と思えば、水風呂タイムがより楽しみになるでしょう。
① メンタルヘルスの改善

夜に水風呂や冷水シャワーに入ると、翌日のストレスが下がる可能性があります。(2)
また水風呂を含む冷水浴に入る習慣のある人は、不安や抑うつ症状の軽くなる傾向を示した研究もあります。(3)
ただ効果には個人差が大きく、科学的な裏付けはまだ発展途上のため、過度な期待は禁物です。
「仕事でストレスが溜まったときに顔を洗って切り替える」といった経験則は、実際に脳内ホルモンや神経の変化として説明できる可能性が出てきているのも面白いところです。
② ポジティブ感情の増加

水風呂に入ると、「なんだか前向きな気分になる」「やる気が出る」と感じるサウナ好きも多いです。
近年、その実感を裏付ける研究も報告されています。
20℃の水風呂に5分間浸かった被験者の感情の変化を研究した論文では、以下のようなメリットが報告されています。(4)
- 「活発さ」「集中力」「誇らしさ」といったポジティブな感情が有意に高まった(平均7ポイント上昇)
- 「不安」や「緊張」といったネガティブ感情は減少(約4.7ポイント減少)
脳の検査(fMRI)でも、「水風呂によって前向きな感情に関わる脳内ネットワークの結びつきが強まる」ことが確認されています。(4)
つまり水風呂には、脳を活性化して前向きな気持ちを引き出す可能性もあるのです。
落ち込んだり、やる気が出なかったりするときに、水風呂で気分転換すると意外にスッキリするかもしれません。
③ 睡眠の質向上

水風呂でしっかり体を冷やす習慣は、睡眠の質を高める可能性も報告されています。
2025年のレビュー研究では、毎日冷水浴(冷水シャワーや水風呂)を行った人では、行わなかった人に比べて睡眠の質と生活の質(QOL)がわずかに向上する傾向が見られました。(5)
また何日か連続で冷水浴を行うと、睡眠の質が改善したケースも報告されています。
研究はまだ規模が小さく、効果には個人差がある点に注意が必要ですが、「ぐっすり眠れた」「翌朝すっきりした」という体感につながる人も少なくないです。
まずは無理をせず、自分のペースで試してみると、睡眠や日常の快適さにちょっとしたプラスになるかもしれません。
④ 筋肉痛・炎症の軽減

運動後の水風呂や冷水シャワーは、「筋肉の回復を助ける働きがある」と考えられています。
複数の研究で、冷水浴をすると筋肉痛が軽くなることが確認されています。(6)
また、血液中の炎症が下がる傾向を示した報告もあり、体のリカバリーに役立つかもしれません。(7)
つまり、水風呂は「筋肉の疲れをやわらげて、体をすっきり整えてくれる」可能性があります。
ただし、万能のリカバリー方法というよりは、コンディションを支える一つの手段として取り入れるのがよいでしょう。
⑤ 自己効力感・レジリエンス(精神的回復力)の向上

水風呂のような冷たい刺激に何度も挑戦すると、「自信がつき、ストレスに強くなる」可能性があります。
冷水浴を習慣にしている人と、そうでない人の違いについて調べた研究があります。(8)
研究でわかった「冷水浴を習慣にしている人のメンタル面での特徴」は、以下の通りです。
- 「やればできる!」という自己効力感が高い
- レジリエンス(立ち直る力)が高い
冷水浴によってストレスホルモン(コルチゾールなど)の反応が整えられて、ストレス耐性の向上につながる可能性もあると言われています。(9)
つまり、水風呂には「心を鍛える修行」のような側面があり、続けていくことで、日常のストレスに負けにくい心と体作りにつながるかもしれません。
まとめ

サウナ後の水風呂は、最初は勇気がいるかもしれません。
ただ正しい入り方とマナーを意識すれば、水風呂の怖さは薄れ、気持ちよく入れるようになります。
最初は10〜30秒でもいいので、時間より「無理しないこと」が重要です。
冷たさに慣れてきたら少しずつ時間を伸ばし、しっかりと体をクールダウンさせましょう。
水風呂の役割はサウナで温まった体を冷やして、サウナの醍醐味である「ととのい」状態を生み出すことです。
水怖さが和らぎ、冷たさが心地よさに変わったとき、サウナの本当の魅力に気づきます。
無理せず、少しずつ。その積み重ねが、最高の「ととのい」への近道です。